【大阪市|ドーンセンター】能登将史先生による会員講演会

会員講演会

議題:近年の労働関係の法改正 ~最新の統計・白書を踏まえて~
日時:令和6年7月19日(金)18:00~20:00
場所:ドーンセンター天満橋(ZOOM併用)
講師:能登 将史(当会員)
出席者:17名

内容

今回は、一方的な講義形式ではなく、参加者全員が積極的に議論に参加する討論型の研修が開催されました。内容は、近年の労働関係の法改正を踏まえたもので、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

議題と討論内容

今回の研修では、以下の5つの議題について、統計データを踏まえた講義と討論が行われました:

1. 労働条件明示事項の追加: 労働条件の透明性を確保するための法改正について議論しました。具体的には、労働契約書や就業規則に明示すべき事項の追加について、その影響と実施方法を深掘りしました。

2. 時間外労働・休日労働の上限規制: 自動車運転業務、医師の時間外労働や休日労働の上限規制について、実際の運用方法やその影響について討論しました。特に、トラック業の中小企業における対応の難しさや、労働者の健康管理に関する意見が活発に交わされました。

3. 令和5年賃上げの実態調査: 最近の賃上げ動向に関する統計データをもとに、実態調査の結果を共有しました。企業の賃上げ方針やその背景にある経済状況について、多角的な視点から議論が行われました。

4. 我が国において賃金が伸び悩んだ理由: 賃金が伸び悩む理由として、企業の内部留保の増加、日本の雇用慣行の変容、労働者のニーズの多様化などが挙げられました。これらの要因について多様な意見が飛び交い、深い議論が展開されました。特に、内部留保の増加が経済成長に与える影響や、日本特有の雇用慣行の変化が賃金に及ぼす効果について、多くの洞察が得られました。

5. 月60時間外労働:月60時間以上の時間外労働について割増賃金率について実施される前の令和5年度の調査をもとに、割増率が50%の影響度について議論しました。

研修の感想

特に4番目の議題である「我が国において賃金が伸び悩んだ理由」については、多くの考えさせられる意見が出ました。企業の内部留保の増加が賃金上昇の妨げになっている点や、日本の伝統的な雇用慣行が変わりつつある中で、労働者の多様化するニーズにどう対応すべきかなど、実務に直結する課題が浮き彫りになりました。
このような討論型の研修形式は、参加者が自身の業務経験をもとに意見を出し合うことで、実践的な知識を深めることができます。また、他の参加者の視点や意見を聞くことで、新たな発見や気づきが得られ、大変有意義でした。

結論

今回の討論型研修会を通じて、日頃の業務で直面する問題について多様な意見を交換し合うことができました。これにより、自分自身の考えを再確認するとともに、新たな視点を得ることができました。このような形式の研修は、今後も継続して実施することが望まれます。
皆様のご参加とご意見に感謝し、今後の業務に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。

報告者 事務局 平野勝彦


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